もし医者が害を及ぼすなら、例えば治療ではなく拷問 を与えたり、身体のケアをせずに魂を殺すような行為を 犯すなら、その理由のひとつは、この社会が国家を通じ てそうするようカネを払って依頼しているからです。

私たちはこの状況をナチス時代のドイツで目にし、そし てそういった多くの医者たちの首を吊るし上げました。 私たちはこの状況をソビエト連邦で目にし、そして義憤 の念をもってそういった医者たちを非難してきました。 しかし、このいわゆる「自由社会」において、同じ状況 が起こっているということを、いつ私たちは気付くので しょうか。私たちの中にいる医療犯罪者を、いつ私たち は認識し、公然と知られるようにするのでしょう。

̶ 精神医学名誉教授
ト－マス･サズ博士

私たちはまさに近代社会の中で暮らしています。

一見、最低限の生活を確保でき、安全で、幸せそうに見え ます。

しかし、その表向きが人生のすべてを語っているわけではあ りません。

至るところに、精神医学の残虐な歴史を目にするでしょう。

しかし精神医学の発祥地以上に、これらをはっきりと見るこ とができる場所はありません…ドイツです。

広範囲な調査と精神医学の専門家や犠牲者たちとのインタ ビューを基に描き出された、この衝撃的なドキュメンタリー は、精神医学の始まりから現在に至るまでの卑劣な歴史を 明かしています。

これは、ほとんど明かされたことがない、不当な要求、損傷 を与える治療法、そして人間の残忍性の極限についての物 語です。